痛い中二病の記憶

24歳フリーター職歴証券会社。読んで味噌。

塾講師のバイトに私服で行ってみた

仕事には責任がついてまわる。そんな言葉は嘘だと知った24の春が過ぎて夏が終わり、そして秋が来た。仕事に責任感を持たして従業員を縛りつけようとする程のいい嘘ルールだ。現実の仕事は本当に毎日毎日くそつまらない仕事を延々と繰り返すだけだ。なにも劇的なことなんか起こりやしない。現実とは残酷なり。だか希望は残っている、完璧な華のキャンパスライフが存在しないように。

 

金のためとはいえ嫌々、それも超嫌々ながら塾のアルバイトを続けてきた。いちおう地元の進学校を出てるから信頼されて採用されたっぽい。どいつもこいつも人の表面しか見てない連中ばっかりだ。そんなこんなで1ヶ月続けてきた。金はある程度稼げたと思う。労働環境は最悪だ。トイレ掃除を2回ほど、掃き掃除を2回ほど、その他もろもろの雑用をたくさんさせられた。個別指導の講師として採用されたのにもかかわらずだ。しかも教室間の確執は最悪だ。本部の連中の鼻高らかな態度には心底腹がたつ。こんな田舎の塾のくせしやがって威張り散らしやがって…。こんなことを思っている自分だからけっこー被害を受けた。黙ってれば丸く収まるのに、ついつい抵抗しちまう(いやだが今回は向こうに原因があるんだぞ)。そんなことしたから9月の入れる授業のコマ数をかなり減らされた。死活問題だ。ただでさえ田舎で仕事が少ないのに。

 

だがまとまった金はもう稼いだ。時は来た。よし今日の授業は私服で行ってやろう。どうせ1コマだ。そしてどうせもう授業はそんなに入っていない。もう好き勝手やってやろう。迷彩柄のズボンと紺のシャツの軍人スタイルだ。このダサいのかイケてるのかわからないスタイルがたまらない。

 

キキーーッ。よし到着したぞ。さてもう適当にやってやる。いつもの教室長とばばあがいやがった。

スーーッ。以外とすんなりいったな。なんにも言われなさそうだ。そりゃそうだよな。そもそもスーツを着なければいけないという常識の方が間違っているのだから。もしそれが正しい常識だったとして、それは世界が間違っているんじゃないのか?

 

なんだか拍子抜けだ。教室長と全面戦争になるとでも期待していたのに…あのメガネが!まあいいやこれからは塾に来る時はずっと私服で来てやる、ウシシシシシ。

 

事件はその後起こった。無事に授業は終了した。塾生たちと数学を一緒に学んだ大変有意義な時間だったと思う。もうすぐ期末テスト、頑張ってねえ!

 

すっと教室長のメガネ野郎の横を通り過ぎた。「ふん、どうせなにも言えまい。」心の隅っこで思っていた。下の部屋で授業の書類をまとめ帰ろうとした瞬間。そこにはメガネ教室長がいた。

ッツ!

「今日スーツは?」

不意打ちだった。このままこともなく帰れると思っていた。今日も無事に1日が終わると考えていた。今日もお星様を見ながら帰れると思っていた。ダメだこの質問、答えられない!

私「ちょっと忘れまして」

「なんで言わないの?」

私「すいません」

その後も謎の沈黙と威圧が続く。あなどっていた、人生を。甘く考えていた、人間の怒りを。情けない声ですいませんを連呼する自分、と同時に完全犯罪でも成し遂げたような快感が襲う。

「ああっ、俺は今日私服で塾に来たのだな」私はそう思った。

 

「うん?てか別に塾に私服に来るぐらいいいんじゃねえの?そもそも女性の講師は私服できてんじゃねえかよ、おい!男女差別してんじゃねえよ、このメガネ野郎がよお!」と私は思った。

 

そしてそれ以上、なにが起こるわけでもなく塾を出た。帰りにおいしいたまごケーキを買って帰った。おしまい。

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